不思議な感覚
category: 震災 その後
今日から12月。
あとひと月で2011年が終わる。
この先ずっと「あの2011年」と言われるに違いない2011年。
子供の頃、
歴史で習うことも
地理で習うことも
ホントのことじゃないような気がしていた。
授業中、いくら絵や地図を使って先生が説明していても
私は夢の中にいるような気分だった。
自分の目で見たことのないこと。
見たことのない国。
ほんとに起こったことです、とか
こんな国があります、とか言われても・・・
なんだか居心地の悪い、落ち着かない気分。
3月11日の震災後、
まるで違う状況にも関わらず
久しぶりにこの感覚を思い出した。
余震の続くなか、布団の中でラジオを一晩中聞いた。
地元ラジオのパーソナリティは懸命に
「がんばりましょう」と視聴者を励ましていたけど、突然、
「仙台若林区の海岸で数十人が発見された模様です」と言って、
ポキッと芯が折れたように、泣き崩れた。
私も泣きながら「ホントじゃない、ホントじゃない」と
よく回らない頭で考えた。
原発が爆発している映像を見ながらも
「たいしたことじゃないはず」と繰り返し、自分に言った。
今は、
歴史は本当にあったこと、と分かる。
外国も学校で習う通りに存在することも。
おびただしい数の人がこの震災で亡くなった現実も。
原発の爆発はとんでもなく重大な汚染を
福島に、日本中に、世界にまで、もたらしたことも。
昔のことは忘れっぽいタチだけど
3月11日から数日間の
あの、悪夢の中にいるような
重苦しくみぞおちに何かがつっかえているような
ボンヤリしてるはずなのに覚醒してるような
なんとも不思議な感覚は、
一生忘れないと思う。
2012年になっても、2013年になっても
それからもずっとずっと
繰り返し繰り返し
鮮明に
私の胸を締め付けると思う。