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日本でフランスの暮らし~日々のブログ

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うらのメシや

category: 震災 その後

ストロー付きの水筒なのに、中身が少なくなると未だに逆さまにする息子。それ逆なんだけど。

幼稚園から帰ってきていきなり
「う〜ら〜め〜し〜や〜」と始めた息子。
オバケごっこしたのね、うらめしやっておぼえたのか、と面白がって聞いてたら、
「う〜ら〜の〜メシや〜」と言う。

幼稚園児にしてはシブいジョーク。
「ナンだそれ、ぎゃっハッハ」と笑った。

息子の担任と副担任の先生は
ハツラツとした若い先生ではなく、
どちらかと言うとベテランの先生。
保育士生活20年くらいにはなってるだろうか。

二人ともドンと来いタイプで、
なにがあっても動じない。
震災後ひと月くらい経ってからの初めての参観日、
参観中に強い余震が来て子供が怖がった時も、
「玄関からゾウさんが入ってきたねぇ」
と言って、何ごともなかったようにクラスを進めていた。

でも先生だってホントは怖い。
後日、面談のときに
「3月11日は夜まで足の震えが止まりませんでした」
と教えてくれた。

参観日のさよならの挨拶の前、
父兄に向かってこの先生が
「命がけでこの子供たちを守らせて頂きます。
 どうぞ普通の生活に戻してあげて下さい。」
と言った。
“命がけ”という先生の言葉は
微塵の疑いもなく私の胸の内に響いた。

「うらのメシや」もこの先生の入れ知恵だと思う。
普段はぶっ飛んでいて可笑しなことばかり言っている先生だけど、
あの時の真剣そのものを、私は決して忘れない。

息子をよろしくお願いします、と
心の中で何度もつぶやいた。
うらのメシや

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