転校生

category： 震災　その後

昨夜観た映画。9.11でパパを亡くした少年の物語。納得のいかないことだらけの世の中で、自分と向き合うことや他者を想うことの大切さを、改めて考えた。

２学期の始めに
娘のクラスにやってきた転校生の女の子。
最初の１週間が過ぎて先週末
「お友達になった？」と娘に聞いてみた。

「Mちゃん、しゃべんない」と娘。

余程の恥ずかしがり屋さんなのだろう
と、勝手に想像していた。

今日、娘の迎えに学校に行くと
その子と娘が一緒に遊んでいた。
近くに行って
「学校慣れた？」と聞いてみた。

まっすぐに私を見つめる彼女。
でも答えが返って来ない。
なにを質問しても同じ。

そうこうしているうち
彼女のお母さんと思われる人が
私に声をかけてきた。

「しゃべりました？」

お母さんの話によると
去年の原発事故後、
市内のホットスポットに住んでいたこの家族は
県外の親戚宅で１年半の避難生活を送った。
この間、Mちゃんはその土地の学校に通ったのだけど
１年半の間中、学校で一言も口をきかなかった。

郡山に戻って、この学校ならと思い娘を転入させた。
今のところまだ口はきいていないようだけど
そのうちにきっと、
またお友達とおしゃべりするようになると思ってる。。。

なんと返したらいいのか
言葉に詰まった。
あっけらかんと話すこのお母さん。
ほんとは心配で心配で心配なはず。

「しゃべらなくても楽しいんだよ、Mは。
　だから仲良くしてね」
と娘に話すお母さんに
母娘共々、大きく頷いた。